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たにぃ 給湯器よもやま話21 2016年5月30日

最近すっかり更新が鈍ってしまいました。まずは本題に入る前に告知です。

2016年6月13日(月) 当社は社員研修のため休業いたします。

メールのお問い合わせは常時受け付けておりますが、6月10日(金)17時以降のものについては、6月14日(火)以降のご返答となりますので、ご了承願います。

・・・

では久方ぶりに給湯器のお話を。今回は集合住宅用の給湯器について。

ガス給湯器は外壁に取り付ける壁掛型(設置フリータイプ)や、浴室の外壁下に設置する据置型などが一般的。しかしマンションなどの鉄骨・鉄筋コンクリート造の集合住宅は、間取りとの兼ね合いで給湯器の取付け方に制限があります。

ガス給湯器はガスを燃やすことでお湯を沸かすわけですが、その際に大量の空気(酸素)を使います。以前書いたようにガスが燃えると二酸化炭素と水が出ます。この時に気をつけなくてはいけないのは、二酸化炭素をしっかり外に吐き出して、給湯器に戻ってこないようにしないとなりません。なぜなら二酸化炭素が循環してしまうと、一酸化炭素が発生して大変危険だからです(→くわしくは 給湯器よもやま話18 で)。

集合住宅はベランダや廊下、手すりの壁や、間取りの都合で給湯器の前が狭くて換気が十分にできない場合があります。そうならないよう、建築基準法消防法で給湯器の取付け方にはルールが決められており、各メーカーではさまざまな専用品が用意されています。

集合住宅用の給湯器には以下の種類があります。

PS標準型●PS標準型

「PS」というのは「パイプスペース」のこと。水道管やガス管を通す細長い空間で、各階を貫いてパイプや配線が通っています。宅配便の人に「留守中はここにハンコ入れてあるから、荷物置いといて」なんて言う人もいるでしょう。でも重いものを入れると配管などを曲げて大変なことになりますので、宅配ボックス代わりに使うのはオススメできません。

PS型は他にも種類が色々あったりしますが、この標準型の場合、給湯器の前面が外から見えます。

PSアルコーブ型●アルコーブ設置型

「アルコーブ」というのは玄関を廊下から少しくぼませた空間のこと。玄関ドアが見えにくくなるので、出入りの際にプライバシーが若干保てる作りになっています。

でもこの横壁に標準型の給湯器をつけてしまうと、くぼみに排気が溜まってしまうので、排気カバーをつけて横から外に向けて排気させる仕組みになっています。

なお余談ですが、このアルコーブは玄関ホールや廊下と同じく「共用スペース」になりますので、自転車など住民の私物を置いたりしてはいけないことになっています。ご注意を。

PS扉内設置型●PS扉内設置型

最初に説明したPS標準型と何が違うのかと言うと、給湯器の正面パネルを見せず、丸い穴だけ突き出して扉の中に隠してしまうタイプがこれ。

給湯器を見せたくないという理由だけで選ばれているわけでなく、廊下の広さを十分に取れないような場合、消防法で火災防止の隔壁として扉の中に隠す必要があるので、このタイプを取り付けます。

また丸穴は排気口を丸く細くすることで排気を直線的に遠くに飛ばし、廊下を飛び越えるようにして外に排出する目的もあります。

PS上方排気型●PS上方排気型

こちらは扉の中に完全に隠してしまうタイプ。天井の管を通って排気されます。給湯器の周りが壁などでふさがれているような、排気されにくいような場所だとこのタイプを設置します。

ちなみに「上方」は「じょうほう」であって「かみがた」ではありませんし、関西の方で多いとか聞いたことありませんので念のため。

PS後方排気型●PS後方排気型

こちらは給湯器の後ろ(裏側)から排気するタイプ。給湯器が避難通路やエレベーター等と隣接するような場合、消防法でこちらを使うよう定められている場合があります。

外から見ても上方排気型と区別がつきにくく、扉の中をのぞいても上方排気型と区別するのは難しいと思います。

他にも色々ありますが、今取り付けられている給湯器がどの種類なのか判別するのは大変。そこはプロに任せましょう。

なお集合住宅の給湯器を交換する際は、基本的に前と同じ型のものを取付けます。集合住宅は共用スペースを勝手に変更できませんので、能力を上げたいからと言って給湯器を勝手に大きくして廊下にはみ出すように取り付けたりできません。また取付位置や排気方法も、法律の関係上、勝手に変えることができません。

ただし標準型以外の給湯器の場合、多くのメーカーが受注生産になります。すぐに交換したくても、給湯器を用意するのに数日~数週間かかってしまうことがあります。集合住宅にお住まいの方は、給湯器の調子が悪くなったら早めの修理・交換手配をおススメします。


たにぃ | 17:41

2 件のコメント

  • 藤原一人 より:

    はじめまして。一つ質問させて下さい。
    現在 1棟マンションを保有しています。ガス給湯器が室内にあるものを、室外(共用廊下側)に設置したいと思っています。廊下の幅は1200mm以上あるのですが、何か法律上気をつけないと行けない点がありますか?
    よろしくお願いします。

    • たにぃ より:

      ご質問ありがとうございます。

      建物の構造等、現場を見てみないとわからない所もあるのですが、集合住宅で新たに給湯器を取付ける場合には以下の点に気を付けて頂く必要があると思います。

      1. 共用廊下の有効幅が1.2m以上確保できるか

      1,200mm以上の幅があるという事ですが、給湯器がせり出すことでそれ以下になってしまいますと、消防法違反となってしまいます。そのため通常はパイプスペース等に埋め込むか、アルコーブがあればそのスペースに収め、共有廊下にはみ出さないようにします。

      2. 廊下が開放型かどうか

      廊下の躯体立上がり部の手すり上にプライバシーや風よけの仕切り板等などがあると、排気が廊下に滞留しやすくなり充分な換気ができません。排気口正面に下がり壁がある場合も、排気が逆流するおそれがあります。そうなると不完全燃焼で一酸化炭素が発生しやすくなって危険です。それを防ぐには別途排気管を設ける必要があります。

      3. 給湯器の周囲三方がふさがれている

      角部屋などで廊下が袋小路になって周囲が壁や仕切り板等でふさがれている場合、その距離によっては2と同様、排気管を別に設けないとならない場合があります。排気管を通すスペースがない場合、躯体に穴を開ける必要が出てくるかもしれません。

      4. 給湯器の周囲に階段やエレベーターがある

      避難誘導路確保の目的で、各階につながる通路に火気を設置する場合、給湯器を金属製のケースで覆うなど、防火隔壁を設けないとならない場合があります。

      5. 開口部や可燃物との距離

      給湯器を窓や吸気口など、室内の開口部に隣接して設置することはできません(採光用のはめ殺し窓等は開口部になりません)。また木材などの可燃物を周囲に置く事もできません。十分な距離(各自治体の条例で定められていますが、一般的に接地面から300mm以上、排気口から600mm以上)を取る、可燃物との間には防火隔壁等を設置するなどしないとなりません。

      6. 配管や電気、排水設備等の有無

      配管を通す穴やスペース(シャフト)がない場合、マンション躯体に穴を開ける必要があるため、その際に建物の強度を落とさないよう注意が必要です。設置する場所にコンセントがない場合、電気工事も必要です。あとエコジョーズ給湯器を設置した場合ドレン水(ガス燃焼時に出る水)が出ますので、階下に水が滴らないよう排水設備も必要となります(そのためか集合住宅でエコジョーズを設置している所は少数です)。

      他にも廊下に給湯器をせり出す事で避難誘給湯器動作中、共用廊下を歩く人に排気が直接当たったり、排気口など熱を持つ部分が手に触れないようにする必要もあります。給湯器が隣室に近いと動作音がトラブルの元になることもあります。

      また共用廊下でなくベランダやバルコニーに設置する場合、避難誘導路となる蹴破り戸(隣室との仕切り板)等との絡みも出てくると思います。

      なお集合住宅で従来なかった場所にガス給湯器を取付ける場合、各自治体の消防署等に申請や届出を行う必要が出てくると思いますので、業者の選定の際にはその申請等もしっかりできるかどうかご確認ください。

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